今しかない

「今しかないのが僕らだ」
って君は何度もぶつぶつ呟いていた。
「そんなのただの言葉だし、それで生が充実するわけでもないだろ」
君は僕の言葉を無視するとガンを飛ばしてまた同じ言葉を繰り返した。
僕らはそこにある今ってやつを、どうすればいいのだろうか。
とかぼんやり考えているうちに友人の君は死に、大学を卒業し、会社も二度ほど変わりアラサーに近づいた。
未だに僕はぼんやりとしている。